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要注意!キャッシングに潜む金利リスクと依存症の危険性を解説

お金を友人や知人に借りるのと、銀行や消費者金融などの貸金業者から借りるのでは、その意味合いが全く異なります。

友人にお金を貸すときに金利を設定することはあっても、その利率は消費者金融ほど高くはしないことでしょう。これは、貸す相手その人を信頼しているためです。「この人ならちゃんと返してくれる」と信用しているから個人でもお金を貸せるのです。

しかし、銀行や消費者金融は、利用者のことを友人のように信用できない上、金利を得ることによって企業経営しているため、利率がかなり高くなります。今回はその中でも、複利計算のリスクについて解説します。

今は複利が主流?単利計算と複利計算の違いを知ろう!

消費者金融や銀行でカードローンを契約する前に、基本的な金利のことを知っておく必要があります。金利を考える上で、基本にして最も重要なポイントが「複利計算の仕組み」です。

金利の発生は2種類しかありません。「単利計算」と「複利計算」です。この二つの違いを分かっていることが、カードローン利用において最低限求められることです。

単利計算は、現在ではほとんど貸金業では使われなくなった計算方法です。その特徴を簡単に言えば、「毎年の金利が元金にしか適用されない計算方法」ということです。

例えば、100万円を年利10%で借り入れしたとしましょう。10年間、1円も返済しないことを前提にしてどのくらいの金利になるかを考えます。

単利計算では、毎年かかる金利は元金の100万円の10%なので、毎年10万円ずつ金利が発生します。1年目も2年目も10年目も金利は10万円になります。

つまり、単利計算で100万円を年利10%で10年借りた時の利子総額は10万円×10年でちょうど100万円ということになります。

単利計算とは、金利が高くても毎年発生する費用は一定であり、借金が増えにくい計算方法だと言えるのです。

短期間借り入れで金利は単利計算と複利計算でどのくらい違う?

今度は、複利計算について説明しましょう。複利計算は、貸金業者のほぼすべてが導入している計算方式です。消費者金融のカードローンも、銀行キャッシングの金利もすべて複利計算方式で金利を算出しています。

さて、先ほどと同じように100万円を年利10%で1円も返済せずに10年間借り続けた時を例として計算します。

複利計算において、年利の倍率は「前年度の元金+金利の合計(以後債務総額と呼称)」に掛かってくるという特徴があります。

これはどのように計算するのでしょうか。まず、最初の1年は単利計算と同じ10万円の金利が発生します。この時、債務総額は110万円になります。

次の1年は、この110万円に対して年利10%の金利が発生します。つまり、2年目の金利は11万円になります。2年目終了時の債務総額は、元金110万円+金利11万円で121万円になります。

3年目になると、元金121万円の10%である12万1千円が金利となります。3年目終了時には、債務総額は133万1千円となるわけです。ちなみに、単利計算の場合は130万円です。

こうしてみると、徐々に単利計算と複利計算の金利差が出てきているのが分かります。しかし、ごく短期間の借り入れでは、両者の差はほとんど見られないといってもいいでしょう。

これだけ聞くと、「別に複利計算でも大した差がないじゃないか」という感じに見えるかもしれません。しかし、恐ろしいのはここからなのです。

なぜ複利計算が「雪だるま式」と言われるのか

単利計算と複利計算は、短期間の借り入れにおいてはほぼ差がないのが明らかになりました。これは、設定されている金利が低いほど差が小さくなることとも関係しています。

複利計算は、前年の金利も元金と一緒に計算するため、金利が小さいと増加分が単利計算と差ほぼ変わらないため、それほど気を付けることはないです。

しかし、消費者金融の借り入れのように金利率が高い場合、また金利が小さい場合でも長期間の借り入れをする場合は、思わぬ速さで債務総額が膨れ上がることがあります。実際に説明していきましょう。

ここでも先の例を挙げます。金利を計算するときに最も一般的な例は100万円融資の例だからです。「100万円を年利10%で30年借りた時」について考えてみましょう。

単利計算では簡単で、先のように毎年10万円ずつ金利がかかり、最終的な債務総額は、元金100万円+(毎年の金利10万円×30年)で計400万円になります。

単利計算でも元の4倍になるので、借りっぱなしは危険だと分かります。では、複利計算ではどうなるのでしょうか。

複利計算の公式は「a(1+r)~n=b」というものです。nは乗数です。aを元金、rは年利率、nは年数として各数値を代入して、bの債務総額を求めます。今回の例でいえば、a=1000000、r=0.10、n=30を代入して計算します。

この計算で30年後に返済すべきお金はいくらになると思いますか。800万円?、1000万円?、答えは1744万9402円です。元金が100万円だったのに、30年後には17倍以上に膨れ上がってしまうのです。

これが複利計算の恐ろしさなのです。年数が経つにつれて、金利も総額もどんどん大きくなることから「雪だるま式」と言われるようになったのです。

ちなみに、年利15%で先の例を計算すると、30年後の債務総額は、なんと6621万1772円という途方もない金額になります。単利では550万円なので、その増加率は比べ物にならないでしょう。

キャッシングは複利計算で高金利だと肝に銘じておくこと!

複利計算は、借り入れ期間が長ければ長いほど、金利が高ければ高いほど、あっという間に借金が膨れ上がります。

キャッシングの金利はおよそ14~18%前後とされています。利用限度額が高い人ほど低い金利で利用することが出来ますが、それでも10%前後です。

通常のフリーローンよりもかなり金利が高いキャッシングにおいて、重要なことはいくつかありますが、その中でも損をしないために心がけるポイントは決まっています。

キャッシングでは原則として、長期間の借り入れを可能な限り避けること、金額が大きくなる場合は、最初の返済で多少無理をしてでも、元金を大きく減らしておくことです。

まったく返済しない場合は、複利計算で最も金利が大きくなるのは最後の年です。しかし、返済をして元金を減らしていく場合は、金利が最も高いのは最初の年(月)です。

最初に一気に元金を返済すると、発生する金利を大きく減らすことが出来、結果的に返済期間も短くなるうえに、債務総額自体も大幅に減らすことが出来るのです。

キャッシング返済で一番大切なのは最初の返済!

キャッシングで債務不履行になる人の大半は、最初の返済がうまくいかなかった人です。借り入れをするときに返済の見通しが甘いと、返済自体が長引いてしまい、高い金利とあいまって厳しくなるのです。

そのような事態に陥らないようにするには、借り入れしてから1ヶ月の間に資金を調達できる目途を立てておくことです。逆に言えば、それが立てられない場合は、キャッシングをするべきではありません。

短期の借り入れでも長期の借り入れでも、「借りた直後の月の返済」は極めて重要な意味があります。ここでどれだけ債務の割合を減らせるかだけを考えてもいいぐらいなので、必ず、利用する前に返済計画を立てておくように心がけましょう。

債務不履行になりそうな場合でも、他から借り入れをして借金返済に充てる行為は、基本的にしてはいけません。例外として、おまとめローンや、現在借り入れしている金融業者よりも金利が小さい金融業者から、少額の借り入れをする場合だけは適切な方法と言えます。

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キャッシングは審査が簡単だから危険?甘い審査のリスク

キャッシングは、消費者金融や銀行などの貸金業者の提供するサービスの中でも、とりわけ利用者に適切な使用方法が求められる金融商品でもあります。

他の借り入れに比べて審査が簡単だということは決して利用者にとって良いことばかりではなく、必ずその分のデメリットを契約の際に受けているという認識を持たなくてはいけません。

テレビのCMで簡単に借り入れができると宣伝しているカードローン、インターネットの広告で収入証明書がなくても高額の借り入れが出来ると謳っている銀行キャッシング、こうした一見良いことしか宣伝していない金融商品ですが、高金利という見えないデメリットを持っているのです。

そもそも、審査が甘いということは、貸金業者が利用者の返済能力を大して重視していないということの裏返しでもあるのです。では、大して信用していない相手にお金を貸すときにどうするかというと、当然高金利でお金を貸すという結論になるでしょう。

キャッシングという金融商品は、この前提となる考えを、限界まで効率化した商品なのです。

キャッシングで最も危険なリスク「闇金」について

闇金という言葉が使われ始めたのは、消費者金融という言葉がないような時代からでした。1970年代、サラリーマン金融(通称サラ金)という銀行とは異なる貸金業者全般を指す言葉があり、大きく分けて、「サラ金、街金、闇金」と区別されていました。

今の消費者金融という言葉に変わったのは、サラリーマン金融だと会社員しか利用できないようなイメージがあり、「サラ金=高利貸し」というマイナスイメージを払拭するためでした。

そして、闇金とは、当時は年利100%以上という今からするととても信じられないような金利で、誰にでもお金を貸す政府無許可の業者を指していました。

それから時間がたっても、闇金は依然として貸金業界に根を張っています。審査が極めて単純で、法定金利を無視した金利を課している業者はすべて闇金です。

現在は利息制限法という、貸金業で金融商品を提供する際に守るべき法律があり、利用額が10万円未満、100万円未満、100万円以上を境界として、それぞれ年利20%、18%、15%を超えてはいけないという決まりがあります。

どんな理由があっても、この金利を超える貸し出しをしている業者は間違いなく闇金なので、キャッシングを利用する際、特に無名の貸金業者を利用するようなときは注意することです。

気軽さから陥りやすいキャッシング依存症の危険性とは?

キャッシングはとにかく簡単にお金を引き出せます。「欲しい物があるけどちょっとお金が足りない」というときに、ふらっとATMに寄ってカードを使って簡単にお金が手に入ります。

このように、キャッシングは利便性が極めて高い借り入れ方法です。それだけなら、優れた利点として問題ないのですが、この「気軽すぎる」資金調達には、生活と密着しすぎると依存症を引き起こすという危険性があります。

依存症と聞くと、「ギャンブル依存症」や「アルコール依存症」といった重大な病気が想像されますが、キャッシング依存症はそれとは少し特徴が異なります。

これは、病気というよりも行動原理が変わってしまう「状態」を指しています。具体的にどのような危険性があるのか、どんな人がなりやすいのかを解説していきましょう。

キャッシング依存症になりやすい人はこんな特徴がある!

ちょっとした物を買うときに、お金が足りなくなった時に取る行動は、その人の性格が大きくかかわってきます。

我慢して買うのをあきらめる人、いったん購入は控えるけど貯金して何としても買おうとする人、お金を借りてでもその時に手に入れないと気が済まない人などなど、対象物がどの程度必要かにもよりますが、大きく分けてこのうちのどれかに当てはまります。

キャッシング依存症になりやすいのは、次のような性格や行動をする人だと考えられています。

  • 衝動買いをしやすい
  • 金銭感覚が大雑把
  • 欲しい物は手に入れないと気が済まない
  • 競馬や宝くじのようなギャンブルが大好き

自分がこれらのうちどれかに該当すると思ったのであれば、キャッシング依存症になる可能性があります。特に重大な問題に発展しやすいのが、ギャンブル依存症とキャッシングなどの借金の組み合わせです。

衝動買いをする人は、必要なお金が足りないという場面に遭遇しやすく、金銭感覚が大雑把だと無駄遣いが多くなり出費が増え、欲しいものを何としても手に入れようとする人は忍耐力が足りないため、これらの人が借金に走りやすいのです。

キャッシング依存症にならないようにするためには、キャッシング契約そのものをしないのが手っ取り早いですが、キャッシングをしなくてもクレジットカードのような「現金がなくても買い物が出来る」という状態になること自体が危険です。

キャッシング依存症は多重債務一歩手前だと用心しよう!

多重債務とは、複数の借金が積み重なり、自力で返済できなくなる状態のことです。誰しも、多重債務の危険性は知っているので、いきなりこの状態にはなりません。

では、なぜ未だに多重債務のケースが後を絶たないのかというと、小さな借り入れの積み重ねが知らないうちに多重債務になるからです。「そんな馬鹿なことがあるか」と思うかもしれませんが、多重債務というのは、気づいたときには手遅れになっていたということの方が圧倒的に多いのです。

キャッシング依存症になると、個人の利用限度額を超えないように、総量規制対象外の銀行キャッシング(カードローン)を併用するようになります。

一度に借り入れする金額を自分で抑えることが出来ない場合は、すでにかなり多重債務の危険性が高い状態です。同時に借り入れする金融業者は最大で3社程度に抑えて、金利の高い相手の借り入れを最優先で返済し、自分で自分の借金を管理しきれない状態になることを避けるように心がけましょう。

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