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債務整理中にどうしてもお金が必要…キャッシングは利用しても良い?

キャッシングを利用していたけれど、どうしても返済が難しい状況に陥ってしまい債務整理を行っているという方もいらっしゃるかもしれません。

ただし、「債務整理します!」と言えばすぐに出来るというわけではなくそれなりに時間がかかるものです。

任意整理などの場合は、返済も続きますので、数年間は覚悟しておく必要もあるでしょう。

そんな中で、様々な理由でお金が必要となる機会が出てくるかもしれません。その時に手持ちのお金があればよいのですが、そうではないとどこからか借り入れを…なんて思うこともあるかもしれませんよね。

では、債務整理中に万が一お金が必要になった場合、再びキャッシングを利用することはできるのでしょうか?

債務整理にはどのようなものがあるのかチェックしておこう!

実際に債務整理を行っている方はご存知かもしれませんが、現在返済が苦しくて債務整理を検討したいという方もいらっしゃるかもしれません。

まずは、政務整理について確認しておきましょう。

覚えておこう!債務整理には4つの方法があります

債務整理というと自己破産…というイメージが強いという方もいらっしゃるかもしれませんが、実は4つの方法があります。

  • 自己破産
  • 個人再生
  • 任意整理
  • 過払い金返還請求

ひとつずつ簡単に説明していきましょう。

自己破産は、一から再スタートを切るための手段です

キャッシングなど借金をして返済できなくなった人が行きつく最後とも言われる「自己破産」ですが、これを行うには裁判所に支払い能力がありませんよということを認めてもらう必要があります。

自己破産が裁判所から認められると免責(すべての借り入れの返済が免除される)されると共に、20万円を超える価値の財産(現金なら99万円以下)を処分しなくてはいけません。また自己破産をすると官報に掲載され、信用情報機関にもその情報が登録されます。

信用情報機関に情報が登録されると一定期間(5~10年)はその情報が残りますから新たな借り入れなどは難しいと考えておきましょう。

一度自己破産をしたことがある場合、7年以内に免責を受けていれば再び自己破産をすることはできません。

【関連記事】
申し込みや借り入れの利用履歴は残る?キャッシングの信用情報

返済は難しいけれど財産も手放したくない場合は個人再生を

住宅や車などの財産を手放したくはないけれど返済が難しい状況のときに「個人再生」が行えるケースがあります。

個人再生の場合は、自己破産と同様に、裁判所へ返済していくことが難しいという点を認めてもらうことになりますが、借金がなくなるわけではありません。借金の額を減額してもらい、それを3年以内で完済するのが個人再生です。

個人再生の場合は、車や住居など生活に必要な財産を手放す必要はありません。

「小規模民事再生」「給与所得者等再生」の2種類がありますが、どちらにするかは専門家と相談しながら決めていく方が良いでしょう。

個人再生を行った事実は官報に掲載され、信用情報機関にも登録されます。

裁判所を通さずに毎月の返済額が軽減できる任意整理

借金を何とかしたいけれど、あまり大事にしたくないし裁判所までは…という場合や、もう少し返済額が少なくなれば何とか対応できるのに…という場合は「任意整理」という選択肢もあります。

任意整理の場合は、裁判所などを通しませんので、貸金業者と直接交渉することになります。直接交渉と言っても、中々個人では対応してもらえませんので、一般的には弁護士などに交渉の依頼をして手続きを進めてもらうのです。

金利のカットや、借金自体の減額など様々な交渉を行ってくれ、今後の返済が今よりも楽になるというケースが多いです。

官報には掲載されませんが、信用情報機関には登録されることがほとんどです。

2010年以前の借り入れがある場合は過払い金返還請求も!

テレビCMなどでよく耳にする「過払い金返還請求」ですが、誰でもできるわけではありません。

過払い金とは、払いすぎたお金のことです。過払い金は貸金業者に返還してもらうよう請求する権利があります。

これは、金利が深く関係をしていて、2010年以前は利息制限法を超える金額でかつ犯罪行為にならない範囲(出資法の上限)の金利を設定している貸金業者が多くありました。

これをグレーゾーン金利と言い、この金利分のお金は本来払わなくても良いものなので、過払い金となるのです。

しかし、過払い金も債務整理の1つとなりますので注意しましょう。まだ返済をしている場合は、債務整理として信用情報機関に登録されてしまいます。

完済をしたうえで過払い金返還請求をすれば、信用情報機関に登録はされません。

債務整理中はキャッシングを申し込んでも審査に通らないの?

債務整理を行うと借金が無くなったり、減額されたりします。

しかし、債務整理を行うには時間がかかり、自己破産や過払い金返還請求で半年程度、個人再生や任意整理なら返済期間がありますので数年はかかる事でしょう。

債務整理中にキャッシングがしたい…申し込みできる?

債務整理にはある程度時間がかかります。

そのため、債務整理中ではあるけれど、突発的な事などでどうしてもお金が必要という場面が出てくるかもしれません。

では、債務整理中でもキャッシングをすることができるのでしょうか?

まず結論からお伝えすると、債務整理中であってもキャッシングに申し込むことはできます。

しかし、ほとんどの場合で、審査に通ることが無く、否決されるでしょう。

なぜそのような事になるかと債務整理の情報は信用情報機関に登録されるからです。

信用情報機関に債務整理の情報が登録されると審査には通らない

A社とB社で債務整理を行っている場合、C社は関係ないからキャッシングの申し込みをしても大丈夫だよねと思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、決してそのような事はなく、C社でもA社とB社で債務整理を行っているという情報は把握することができるのです。

どうやって把握するのかというと、信用情報機関に照会してチェックをしています。

  • 信用情報機関とは…
  • 氏名・住所・生年月日などの個人情報と、個人が行った金融機関からの借り入れ、割賦状況、返済の状況、残債、申し込み状況、借入件数などお金に関する情報が登録されていて、その情報の保管・管理などを行っています。

    情報を登録するのは、加盟している会員企業で、加盟企業は情報の登録のほか、他会員が登録した情報も閲覧することが可能です。

日本では現在、3社の信用情報機関がありますが、3社とも情報が独立しているわけではなく、CRINというネットワークによって相互情報共有を行っています。

債務整理を行うと、信用情報機関ごとに決められた年数その情報が登録されます。

KSC JICC CIC
自己破産・個人再生など

官報情報

破産・民事再生手続開始決定の日より10年を超えない期間 事実の発生日から5年を超えない期間 情報の登録は無し

(ただし、免責の事実、解約などの事実を登録金融業者が登録したらその日から5年間)

任意整理・過払い金返還請求

契約中及び契約終了日より5年を超えない期間 事実の発生日から5年を超えない期間 契約期間中及び契約終了後5年以内

CICは現在自己破産などの官報情報の収集は行っていませんが、免責の事実に沿って強制解約などの情報が登録されるため、それが異動情報として掲載されることがあります。

また、延滞などを行った場合も信用情報機関には登録されます。

このように信用情報機関にネガティブ情報が登録されている状態の事を「ブラックリストに載った」という言い方をしているのです。ブラックリストというリストは実際には存在していません。

信用情報機関にこのような情報が載るということは、何らかの金事故を起こしてしまったという証明でもあります。

これらの情報は信用情報機関を通して共有されますので、こういった情報を持つ申込者に対して、審査が通るという可能性は低いと言えるでしょう。

自己破産申請中にキャッシング…バレたらどうなるの?

自己破産を申請しよう!と思って弁護士などに依頼をしても、すぐに自己破産ができ免責が認められるわけではありません。

半年程度はかかると思っておきましょう。

では、この間に万が一キャッシングができた場合はどうなるのでしょうか。

何かの手違いで自己破産申請中にキャッシングってできるの?

キャッシングのときに審査が行われますが、この審査の内容については各金融機関ごとで異なります。

もちろん、貸金業者の場合、貸金業法が定められていますので、その範囲内での貸し付けとなりますが、最終的に、融資をするかしないかは業者の判断によるのです。

大手の消費者金融等の場合は、その人の属性のみで判断するケースが多く、自己破産の申請中ということが分かれば間違いなく審査は否決になります。

中小の貸金業者であっても、自己破産をして数年たっているというのであればまだしも、今まさに自己破産を申請中という人に貸し付けを行ってくれる場合はほとんどないでしょう。

ただ、稀に信用情報機関への登録と、申し込みのタイミングの行き違いなどの関係か、よく分からないけれど自己破産申請中にキャッシングができた!なんていう人がいるようです。

これはインターネットなどで稀に見かけますが、実際にはそのような事はほとんどないと思っておいてくださいね。

基本的には自己破産申請中にキャッシングはできないと認識しておきましょう。

そして、万が一キャッシング出来たとしても、その代償は大きなものになるかもしれません。

自己破産申請中にキャッシングの事実があるとどうなるの?

自己破産を申請するということは今の時点で、借入しているお金の返済が出来なくなってしまったということです。

そこで更にキャッシングをしたとして、はたして返済はできるのでしょうか?

どうせ自己破産するから…なんて安易な気持ちでキャッシングをしようとしているのであれば絶対にやめましょう。

そして、万が一自己破産申請中にキャッシングをしてしまうと、大変なことになってしまいます。

それは、キャッシングの事実が判明した時点で、免責が下りない可能性が高いということです。

免責が下りないということはつまり自己破産できず、借金も減らないということになります。

なぜこのようなことになるかといえば、自己破産申請中にもかかわらずキャッシングをする…借金癖は治らないという判断をされてしまう可能性があるからです。

また、借金が返済できなかったという事実に対する反省などが感じられないと取られ心証を害することもあるでしょう。

ご注意を…債務整理中のキャッシングは絶対にオススメできません!

債務整理中でも日々生活はしていかなくてはいけませんし、人生のイベントなど急な出費があることもあるかもしれません。

しかし、債務整理中のキャッシングは絶対にオススメできません。

債務整理は本来返すべきお金を返せなかったということです!

債務整理という言葉が広がってくるにつれて、債務整理を安易に考えている人がいるのも事実です。

過払い金返還請求は、払いすぎていた金利を返還してもらうだけですので、違いますが、それ以外の自己破産、個人再生、任意整理については、債権者に大きな迷惑をかけているということを忘れてはいけません。

本来返すべきお金を返せなかったという事実は重く受け止めておきましょう。

そして、任意整理や個人再生の場合は、返済を行う必要があります。

毎月の返済を滞りなくきちんと行うことが最も大切なのです。

債務整理中にもキャッシングOKな業者は違法業者の可能性も…

多くの貸金業者では債務整理中の人にお金を貸したりしません。

それでも中には「債務整理中でもOK」や「ブラック歓迎」などを謳っている業者が存在します。

しかし、こういった宣伝で顧客を集める業者のほとんどは違法業者です。

違法業者ということは、きちんと貸金業者として登録されていなかったり、貸金業法の範囲を超えた貸付けを行っていたり、通常よりも高い金利で融資を行ったりしています。

たとえお金に困ってキャッシングがしたい!という事態に陥ったとしても、絶対に違法業者に手を出すのはやめましょう。

債務整理を行わずに済むような返済計画を立てることが大切

本来キャッシングで借り入れしたお金は利子をつけて業者に返済するのが当たり前です。

債務整理をするということはその当たり前が出来ていないということになります。

また、債務整理を行うと、信用情報機関に登録されますので、今後のライフプランにも悪影響が出る可能性もあります。

とくに今後住宅ローンやマイカーローンなどを組みたいと考えている人の場合は、何年間も審査に通らなかったりする事態になりかねないのです。

債務整理は行わないこしたことはありません。

キャッシングをするときには、きちんと返済できるかどうか、無理がないかどうかなどあらかじめ計画を立てて借り入れするようにしましょう。

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