キャッシングを考える時、まず最初に見るのが金利なのは誰でも同じでしょう。しかし、その見方については、誰もが同じとは言えないかもしれません。
というのは、金利の数字の表記は、多くが例えば4.0~18.0%となっているとして、この4.0か18.0かどちらの数字を頭に入れて考えているか、という違いがあるからです。
誰もがつい都合の良い小さな数字にあたる4.0%を見てしまうと考えられますが、実際にそれでいいのでしょうか。また情報源として比較サイトも多いのですが、やはり小さな数字の方で比較していいのでしょうか。
ローンの金利について基本的な見方をお伝えします。
各金融機関やカードローンの情報サイトでは、金利について書かれています。金融機関自体が作っているホームページは兎も角、それらのほとんどは、その見方について書いてあるというよりも数字のみを取り扱っているものがほとんどです。
確かにお金を借りる際には、その表記されている金利でもって計算された利息がいわゆる手数料として掛ってきます。お金を借りる側からすれば、利息がどれくらいになるのか大きな問題です。
しかし、その表記には例えば4.0~18.0%や、7.8~14.5%など低い数字と高い数字があります。
実際に見てみてもこの通りです。
金融機関名 | 金 利 |
---|---|
アコム | 3.0~18.0% |
アイフル | 4.5~18.0% |
プロミス | 4.5~17.8% |
SMBCモビット | 3.0~18.0% |
ノーローン | 4.9~18.0% |
新生銀行カードローン レイク | 4.5~18.0% |
みずほ銀行カードローン | 3.5~7.0%
4.0~14.0% |
三菱UFJ銀行カードローン
「バンクイック」 |
1.8~14.6% |
三井住友銀行カードローン | 4.0~14.5% |
イオン銀行カードローン | 3.8~13.8% |
セブン銀行カードローン | 15.0% |
横浜銀行カードローン | 1.9~14.6% |
オリックス銀行カードローン | 1.7~17.8% |
前半に消費者金融、後半に銀行が並んでいますが、ほとんどのカードローンが、数字が小さい方と大きな方とあります。金利に枠があるのです。
ざっと一覧で見るとわかると思いますが、消費者金融と銀行では、傾向が見えてきます。低い方の金利はあまり差がないのですが(それでも銀行によってはかなり低い金利もあります。)、高い方の金利では、消費者金融の方が高めに設定されている所が多く見られます。
その理由についてですが、個々の業者での違いももちろんあるでしょう。ただ全体的な理由として、消費者金融には銀行と提携して融資を受けている場合があるからです。融資を受けるということは、それこそ利息をつけて返済をしなければいけません。その分が金利に反映されています。
対して銀行の場合は、消費者金融にも融資をするという点で立場が逆です。当然、元々の事業もあるので個人に融資するための資金としては消費者金融ほどに困ることはありません。その点が金利に反映されていると考えればわかりやすいと思います。
他にも銀行の多くは、消費者金融が行っている保証業務を委託しています。要は、個人の返済が滞った時に保証会社が個人に代わり、銀行へ返済をします。(個人への取り立ては、その後保証会社が行います。)その為、銀行としては損失はほとんどありません。その点も多少なりとも金利に反映されていると考えられます。
よく審査が厳しいから銀行の方が金利が低いという話もありますが、審査に関してはそれぞれに金融機関独自の基準があります。その基準に沿うかどうかで申込者の審査の通過の可否は変わってきます。
確かに審査の通過率のデータを見ると、多少なりとも申込者に対しての割合としては審査の通過率に差はあるのかもしれません。しかし、個人個人で見ると、審査に通りやすい通りにくいは、一概に言えません。
それぞれの業者や銀行で、最低金利と最高金利の幅があるのはわかったと思います。では、実際に自分がお金を借りようと申し込む時はどの数字で考えればいいのでしょうか。
一見、情報サイト等の比較を見ると、ただ単に低い数字に焦点を当てているために、最低金利の方で借りられると勘違いしている人が多いと思われます。特にカードローンの知識が全くない人が初めてお金を借りようとした時に、単純に数字の低い方だけを見てしまう可能性は大いにあります。
しかし、初めてお金を借りる場合には、実際には最低金利の方ではなく、まず高い数字の方で見るのが基本であることを知っておくと返済の時に困りません。
消費者金融にしろ銀行にしろ、初めてお金を借りることになった場合、最初に審査があることだけは多少なりとも知っている人はいるでしょう。最初の申込時には借入希望額を提示し、その審査によって借入額も希望に添えるのか、希望よりもかなり減額された額での融資になるのかも決まります。
そこで多くの人が知っていたり経験するのは、初めての申し込みの場合、広告にあるような大金をいきなり借りることはまずできないということです。
初めての場合は、大概にして小額から始まることになります。どんなに収入のある人でも、最初からいきなりコマーシャルで言っているような数百万円の限度額になることは、まずありません。
とはいえ、金額の感覚は人によって違うのでどこまでが小額なのかの説明は難しい所ではありますが、平均して初めての場合、30~50万円が多いと言われています。申込者によっては、もっと少ない額からしか借り入れできない場合もあります。
毎月滞りなく返済が続けば限度額も上がり、付随して金利も低くなっていきます。限度額が上がって初めて低い金利での利息計算になっていきます。最初は最高金利の方で考えていくようにしましょう。
限度額が小さい場合は金利が高くなっており、限度額が大きくなれば金利は低くなっている、と言いました。この理由は、一般的な物品販売でも1個のものを買うよりセットになっている方が単価が安いのと同じ原理になっているのでわかりやすいでしょう。
ただ、実際にいくらの金利になるのかは審査に通ってみないとわからない、ということもあります。
となると、例えば前もって返済計画を立てる時に金利をいくらで試算すればいいのか、わかりにくいでしょう。
基本は最高金利で計算すれば間違いないでしょうが、金融機関によっては、限度額の違いですでに金利がはっきりと表記されている所もあります。ただし銀行の方に表記されている場合が多いです。
金利が表記されている金融機関の一例
みずほ銀行カードローンの場合(エグゼクティブプラン)
限度額 | 金利(年率) |
---|---|
~300万円未満 | 7.0% |
~400万円未満 | 6.0% |
~500万円未満 | 5.5% |
~600万円未満 | 5.0% |
~800万円未満 | 4.5% |
~800万円以上 | 3.5% |
三菱UFJ銀行「バンクイック」の場合
限度額 | 金利(年率) |
---|---|
~100万円 | 13.6~14.6% |
~200万円 | 10.6~13.6% |
~300万円 | 7.6~10.6% |
~400万円 | 6.1~7.6% |
~500万円 | 1.8~6.1% |
イオン銀行カードローンの場合
限度額 | 金利(年率) |
---|---|
~90万円 | 11.8~13.8% |
~190万円 | 8.8~13.8% |
~290万円 | 5.8~11.8% |
~390万円 | 4.8~8.8% |
~490万円 | 3.8~8.8% |
~590万円 | 3.8~7.8% |
~790万円 | 3.8~5.8% |
~800万円 | 3.8% |
金融機関によっては金額で細かく分けていてもその金額範囲内でまたはっきりしない表記になっている所も多いのですが、それでも全体的に一括表記よりもはるかに金利が分かりやすいと言えます。
自分で返済計画をたてる際に試算するのにあたり、この数字があるとないのとでは試算の正確さに違いが出てくるというものです。
それぞれの金融機関によって金利が違うと言うことがわかりました。また、金利の数字の基本的な見方もわかったと思います。
しかし、ただ金利が低ければそれでいいというわけではありません。
もちろん、お金を借りると言うことは審査があり、「審査に通らないといけない」という前提があります。その為には、現在を含め、クレジットや他の借金で延滞等をしていたらいけないと言うこともありますが、そういった審査に関する細かい話はここでは割愛します。
金利が低い方がいいに越したことはありませんが、実際にお金を借りて返済していく段階では金利だけにとらわれてはいけないことも頭に入れておかなければいけません。これは意外に気づかない人が多い問題です。
金利がいくら低かろうが、借入期間が長ければ、利息の総額としてはかえって増えてしまう可能性があるのです。
金利が低くても借り入れ回数(期間)が倍ほど長かった場合の利息の違いを、シュミレーションを使って見てみます。(あくまで基本的な計算でのシュミレーションです。それぞれ金融機関で返済方式が違い、厳密な数字は変わってきます。)
限度額10万円 金利18.0%で比べてみます。
10回返済(18.0%) | 20回返済(18.0%) | 20回返済(15.0%) | |
---|---|---|---|
1回の返済額 | 10,843円 | 5,825円 | 5,682円 |
利息総額 | 8,434円 | 16,491円 | 13,641円 |
返済総額 | 108,434円 | 116,491円 | 113,641円 |
比較してみるとわかるように、同じ金利で単純に返済回数が増えれば、大よそですが利息は倍ほどになります。また、金利が低くても回数が多ければ、金利が高くて回数が少ない場合よりも利息は増えてしまう可能性も出てきます。
もちろん、金額、金利、回数が変われば返済総額は変わってくるので絶対的な話ではありませんが、期間が長ければ長いほど、利息が多くなってしまうことは容易に想像できるのではないでしょうか。
細かな金利の枠の説明をしている金融機関はもっぱら銀行が多いと言えますが、では消費者金融ではまったく目安になるものがないかと言えば、そうとは言えません。
というのは、金利だけの問題ではなく、消費者金融の借り入れの話では大きく切り離せない「貸金業法」というものがあるからです。
これは、一個人が多重債務に陥らないように、法律によって消費者金融の業務が細かく取り決められているものです。よく貸金業法の一つの代表として言われるのが「総量規制」で、これは個人がお金を借り過ぎないようにその人の年収の三分の一までしか業者はお金を貸せないと決まっているものです。
他にも闇金対策になる取り決めや、業者が正しく業務を取り行う為の取り決めなど、いろいろあります。
金利に関しても同様に、やはり消費者に過度な負担がいかないように貸金業法で上限が取り決められています。
限度額 | 上限金利 |
---|---|
~10万円 | 20% |
~100万円 | 18% |
100万円超 | 15% |
消費者金融では、細かい金利の枠の表記はなかったのですが、これがある意味、目安になると言えるかもしれません。
また、各業者の最高金利が多くの場合18%になっている理由がここにある100万円までの金利の上限が18%と決まっていることも理由と言えます。
逆にこの金利を超えた数字になっている場合には、正規の業者ではなく、闇金の可能性が大きいので、この数字を知っていると借り入れ先を探す際の闇金と正規の業者の区別にもなります。
覚えておくと便利です。
ここで説明したのは、あくまで金利に関する基本的な話になります。それでも、実際にカードローンの借り入れ先を検討する時の目安の一つにもなるのではないでしょうか。
特にお金は借りるだけでなく、返済が出てきます。その時には、多くの人がシュミレーションを利用することになるのと思うのですが、その時に金利をどうすればいいのかも、全く知らない状態よりも考えやすいと言えるでしょう。
ただ、気をつけなければいけないのは、お金を借りる時に考えなければいけないことは、現実には金利だけの問題ではないということです。
これらをスムーズに行ったり考えたりするためにも、なるべく低い金利でもって負担なく借りたいものでもありますが、だからと言って自分の経済状況にあっていない金融機関に申し込んで審査に落ちては意味がありません。
また、金利を低くしたいからと限度額を大きく設定したがために、かえって借り過ぎて返済の方が追いつかなくなったりしても自分が困るだけです。
特に返済期間が延びれば、いくら金利が低くても意味がないことは上記で説明した通りです。
金利だけでなく、審査の問題や借入期間など、あらゆる面を考慮して計画を立てることが一番利息を少なくすむ方法ではないでしょうか。
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