カードと言う媒体を利用する以上、その中に格納されている情報をかすめ取ろうというのは誰でも考え得ることでしょう。カードはそれを取り出して使う以上、その時点でスキミング被害に遭う可能性はぬぐいきれません。
そこで利用時にはどういった点について注意すれば良いのでしょうか。利用する場面から考えるとATMを利用する場合や、クレジットカードであればお店で利用する場合などが考えられ、特に海外旅行時は警戒が必要です。
もちろん利用時点ではスキミングされたという認識はありませんから、どのようにして被害に遭ったかを確認すれば良いかを考えると、やはり月々送られてくる利用明細をしっかり確認するという方法が有効だと考えられます。
スキミングはカードを利用する際に、情報を盗むこと、そして同じカードを作られて悪用することを言います。仕掛け的に言えばキャッシュカード、カードローン用のローンカード、クレジットカードなどが偽造できます。
特にクレジットカードと言うのは利用するときに店側にカードを渡すことになりますから、スキミングの機会が多く、もっとも狙われるカードと言え、実際被害の多くはクレジットカードのキャッシングやショッピングに集中しています。
特に危ないのが海外旅行時にスキミング被害に遭い、帰国した後、心当たりの無いキャッシング等が行われていることを見て気が付くという場合が多くなっていて、クレジットカードの契約次第では大きな被害を被ることもあります。
スキミングと言う言葉を時々聞きますが、意味を理解している人は多くなく、なんとなく危なそうなことぐらいに考えている場合が多いようで、実際に被害に遭わなければ実感としては伝わって来ないのかもしれません。
現在はキャッシュレス時代で現金の代わりに様々なカードを利用してお金を扱います。そこでお金を手に入れたい人は以前はお金そのものを盗んでいたものが、カード自体を盗むということを考えます。
しかしもっと悪知恵が働く人はカードに記録されている情報を盗み、その情報を別のカードに記録することで、カードを複製することを考える訳です。こうしておけばカードが盗まれるわけではないので、持ち主はなかなか気が付きません。
この情報を盗む行為をスキミングと言い、これを実現しているのがスキマーと呼ばれるカード読み取り装置と、情報をカードに書込むためのパソコンやカード書き込み装置です。
金融機関の対抗策
金融機関も黙ってみているわけではなく、様々な対抗策を講じています。
当初カードというのはカード表面に磁気で情報を書き込んだものだったため非常に簡単にコピーカードを作れる状態でしたが、カードをICカードに変えることによって情報量が飛躍的に大きくなりコピーは難しくなりました。
しかしIT機器の発達でICカードの複製も容易になると今度は暗証番号ではなく静脈認証や生体認証と言った方法で認証方法を強化したりしました。
さらにATMに小型カメラが仕掛けられるという事件も有り、ATMコーナーに警備員を配置したりして、犯罪者に対抗しています。
しかしこういった対策とスキミング技術はいたちごっごで、対策が講じられればさらに新しい手口を考えるという事が繰り返されています。
現在利用されているカードは自分の預金から現金を引き出すためのキャッシュカード、金融機関から融資を受ける為のキャッシングに利用するローンカード、それからショッピングやキャッシングに利用出来るクレジットカードなどが有ります。
キャッシュカードやローンカードは基本的には自分で操作を行うもので、情報を盗むにはそれなりに難しくなりますが、クレジットカードはショッピングの場合お店のほうにカードを渡して処理するため、スキミング被害も多くなります。
しかもクレジットカードは裏に名前まで書いてありますから、キャッシングで利用するための暗証番号が分らなくても、ショッピングなら可能で、ショッピング枠を売るということもできるため、犯罪者には利用しやすいものです。
日本国内でも以前は例えばATMの操作を盗撮するために小型カメラが仕掛けられていたり、お店の店員がカードを扱う時点で情報を読み取っていたりすることが有りました。
しかし最近では金融機関や店側も対策が進み被害は減少してきていますが、犯罪者側もさらに様々な方法で狙ってくる可能性も有るため、油断はできない状態が続いています。
注意が必要なのは国内と言うよりも海外に出た場合です。
先進国に行く場合も注意が必要ですが、より危ないのはやはり中国、韓国あるいは東南アジアなどの新興国といわれているような発展途上国です。
こういった国と言うのは、まだまだ先進国程モラルが安定しておらず、また経済も安定性を欠き、食うためには何でもするという輩がいる為、特に先進国などの旅行者を狙ってスキミングを行っている人もいます。
もちろんその裏には取り仕切っている組織が有るのでしょうが、なかなか取り締まることもできていないようで、今後も注意しなければなりません。
ではスキミングにはどのような手口が利用されているのでしょうか。
まずATMを利用してキャッシングをすることを考えてみましょう。日本ではATMの周囲に小型カメラが仕掛けられていたというような事件が有りました。
しかし海外では大胆にもATMのカード投入口にスキマーと呼ばれる情報読み取り装置が設置されていたという事例も有ります。
クレジットカードの場合には、店の奥に行ってスキマーに通すという手口や、POSシステムのカード読み取り装置にスキマーが仕込まれていたというような事例が有り、店ぐるみでスキミングに関与している場合も有ります。
またカードという形態をとるため、自身での利用の他、他の人に貸すということもお人好しの日本人ではたまにあることで、信頼していた人の手でスキミングが行われるということも無いとは言えません。
スキミングの機会には次のようなものがあります。
まずATMを考えてみましょう。先程説明したように操作画面を撮影できる位置に小型カメラをを仕掛けて撮影していた事件が有りました。
小型カメラといっても現在では非常に小型で指先くらいの大きさで針の穴のようなところから映すことができます。
この小型カメラをATMの上に付けられていたパンフレットを入れてあるような箱の底に取り付けて、違和感なく見せていました。
海外に目を向けると更に本当なのか疑いたくなるような話が有ります。ATMの場合カードを投入して、操作を行うという手順になりますが、このカード投入口にスキマーを取り付けてしまい、カードを投入する度に情報を盗んでいました。
どちらの場合も利用者はいつもないものが見えていたはずなのですが、金融機関を信じ切っている場合が多く違和感を感じたとしても、それほど疑うこともなくATMを利用してしまうようです。
クレジットカードを利用する場合の手口としては、まず店側がカードを受け取って通常ならその場で処理しますが、お店の奥に持って行って処理するような場合には疑ってかからなければなりません。
ただし、こういう場合お店と言うよりも店員の方に問題が有る場合が多いようです。
お店では店頭で処理するということになっていても、店員がある組織の配下になっている場合、奥に行って利用者の見えないところでスキマーを使い組織に情報を流して報酬を受け取るというような形になっています。
お店自体が組織の配下にある場合には、奥に行く必要もなく、お店のPOSシステムでカードを読み取らせる時点で、スキマーを通してしまうことで、情報を流してしまうことができます。
したがって、以前はクレジットカードを店の奥に持っていかれた時は要注意と言われましたが、現在では店頭で処理されたからと言って、楽観はできないということです。
もう一つの機会としては、自分でカードを使うのではなくて、別の人にカードを預けるというものがあります。たとえば銀行に行くのが面倒でキャッシュカードを渡して引き出してきてもらうということも無いとは言えません。
この場合、その依頼を受けた人が説明したようなスキミング被害に合う場合と、依頼を受けた人自体がスキミングを行う場合が有ります。もちろんカードを預けるのですから信用している人と考えられますが、信じすぎてはいけないのです。
またもしスキミング被害に遭った場合、自分としては注意していたと考えてしまい、依頼を受けた人を疑うことになってしまいかねず、トラブルになる事も考えられます。
ですから、未然にそういうことを防ぐためにも、カードを貸すようなことは止めて、常に自分で利用するように心がけましょう。
ロッカーも狙われる
本文で説明したこと以外にもスキミング被害に遭う可能性が有ります。それはロッカーなどに貴重品をしまい込んでいる場合に発生します。
こういったロッカーなどはロッカー荒らしなどに遭うことが有ります。しかも以前のように盗んでいくというものよりも、ロッカーの中からカードを探し出して、スキミングして情報だけを持って帰るということに警戒が必要です。
情報だけを盗み出した場合、ロッカーを元通りに閉めておけば、物品的に盗まれたものが無いため、なかなか気が付きにくく、気が付いた時も、どこで情報を盗まれたのかよくわからないと言う状態になります。
ですから、何かを行う場合には安易にロッカーに貴重品をしまってしまいがちですが、このような危険性を理解し貴重品は持ち歩いたり、貴重品を預けるシステムが有れば預けておくことも重要です。
スキミングで高額の利用をされれば、利用料金の支払い時に気が付くかもしれませんが、巧妙なやり方としては気が付かない程度の少額の利用を繰り返すというような場合も有ります。そこではスキミングの被害の有無はどう確認すれば良いのでしょう。
キャッシュカードの場合にはこまめに通帳を確認していれば分る筈です。
これに対してクレジットカードやキャッシングの利用では引落しが行われる前に利用明細書が送られてくるはずですから、それを利用して心当たりがないキャッシングやショッピングが行われていないか必ず確認するようにしましょう。
最近では利用明細の郵送を止めてしまっている人もいますが、そういう場合にはインターネット上から利用状況の確認ができるようになっている筈ですから、必ず確認が必要になります。
もし被害に気が付いたら、金融機関やクレジットカード会社に連絡を取り、どうすれば良いのか指示を仰いでください。
スキミングで情報を盗まれれば次に待っているのはその情報を使ってお金を引き出したり、ショッピングを行なったりされてしまうことです。
例えば一気に大きく利用されて、捕まらないように証拠となるコピーカードを処分されてしまったり、場合によっては気が付かれない程度の少額の利用を暫くの間繰り返し、その後にカードを処分するというようなこともあります。
スキミングというのはスキミングされた時点では気が付かないのが普通ですから、被害を少なくするにはいかに早く発見するかにかかっています。一気に使われたときには後手に回りますが、それでも早く気付くに越したことは有りません。
そこでどうやってなるべく早く気付くことができるのかを考えてみることにしましょう。
まずキャッシュカードを利用する場合には、利用の都度発行される利用明細と通帳を定期的に確認することです。利用明細の無いような取引が行われていれば、スキミング被害が疑われることになります。
クレジットカードやローンカードも基本的には同じで、利用した場合のレシートや利用明細を保管しておき、月々の支払いや返済の前に送られてくる一カ月分の利用明細と比較して、心当たりがない利用が有ればスキミング被害があるということです。
普段から利用明細やレシートを捨ててしまっている場合には、保管しておく習慣をつけてください。
家計簿をつけるようにしよう
本文で説明したようにレシート等を保管しておくと言うだけでも、確認はできますが、利用した時点で家計簿をつけておくほうが更に良い方法と言えます。
家計簿と言うのは自分あるいは自分の家庭でどのようにお金が使われているのかを把握するために非常に有効なツールになります。現金や預金がどうなっているのか、あるいはカードをどのように利用したかすぐに分かります。
毎日つけるのは面倒だという場合でも週に一回休みの日に付けるという方法でも十分有効です。しかも現在ではインターネット上にそういったサービスが提供されていますからスマホなどが有ればすぐに家計簿の利用ができます。
そもそも自分のお金の流れを理解していないのにカードを利用しようというのは無駄遣いの温床です。すぐに管理を始めてください。
最近ではインターネットが発達したことによって、クレジットカードやローンカードの利用明細の郵送を停止してしまい、インターネット上で確認するという人がいますが、こういう人の場合、実際には確認していない場合も多々あります。
しかしその場合には、今説明したような確認が難しくなりますから、スキミング被害に遭っていても分らないことも出てきます。
ですからこのように利用明細の郵送を止めている場合には、少なくとも月に一度引き落とされる前に自分がどういった利用を行っているのかを確かめるためにも、利用状況を確認する習慣をつけるようにしましょう。
不正利用に早めに気付くためには、面倒だなどと言っていないで、こういった地道な確認を続けなければならないのです。
もしスキミングによるものと思われる不正利用に気が付いた場合にはどう対処すれば良いのでしょうか。
その場合にはすぐにカードを管理する会社に連絡して、とにかくすぐにカードの利用を止めてもらうことが必要です。
被害については日本で発行されるカードには保険が掛けられているのが普通ですから、一時的に支払いが必要になることは有りますが、すぐに被害分は保証されるはずです。
カードについても連絡を入れた時点で利用が停止され、新しいカードが発行されて、数日後には送られてくるでしょう。
スムーズの処理を進めるためには、やはりどういった被害が出ているのかを自分で把握しておく必要が有ります。そのためにも先ほど説明したように自分の利用状況について把握しておくことが重要になります。
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ではスキミング被害を防ぐにはどういった対策を取ればよいのでしょうか。
まずATMは普段から利用する場所を決めておき、利用時にいつもと比較して違和感を抱いたら、いつもの装置の他に何らかの余分な部分が有るかもしれません。記憶に頼ることになりますが、意外に重要なことです。
クレジットカードを利用する場合には、信頼できるお店以外での利用は止めることです。また利用する場合には必ず自分の目の前で処理してもらうようにしましょう。店の奥に持っていかれないように注意してください。
怪しいと思った時には現金を利用した方が安心です。はなはだ消極的な対策ですが、被害に遭うよりもずっと良いでしょう。
海外に行く場合には現地の様子を事前に調査して、やはりカードと現金を使い分ける必要が有るでしょう。
スキミング被害に気付くのは大概は実害が発生してからになりますが、それでもスキミングそのものを防ぐためにはどうしたらよいのか考えてみることにしましょう。
まずATMを利用する場合にはどうすれば良いでしょうか。ATMでの手口は先ほど説明したように、次のようなものが有りました。
どちらも非常に気付きにくくはなっていますが、それでもいつも利用していれば周囲の様子から何らかの違和感を抱くことができたはずです。そこでスキミングの対策としてはそういった違和感を重視するということがあります。
何かいつもと違うと感じたらそれが何なのかを見極めましょう。
それが分ったら、金融機関に対してそれについて聞いてみて問題が無ければ利用すれば良いのです。
そのためには違和感に気付くことが必要です。そこで常にと言うのは難しいですが、できるだけ利用するATMを限定して、いつもとの違いが感じられるようにしておきましょう。
クレジットカードを利用する場合には、仕掛け上カードをお店側に渡さなければなりませんから、いつも利用しているお店以外での利用はなるべく避けるなどの自衛手段が必要でしょう。
また店頭で処理せず、目の届かないところに持って行こうとする場合には、店員を呼び止め、目の前で処理するように言うか、利用を中止するようにします。
海外に行く場合には発展途上国での利用はなるべく減らし、予め必要なだけの現金を用意しておくかあるいはプリペイド式のカードを用意するというような自衛手段も必要になるかもしれません。
まずは出かける前に現地の状況を理解しておくことから始めましょう。クレジットカードは便利ですが、常に危険が付きまとっているということを忘れない様に心がけることが必要です。
海外で現金を用意する
日本円はハードカレンシーですからどこに行っても現地通貨に両替ができ大変便利な通貨ですが、残念ながら両替と言うのは非常に手数料が高くなるため、あまりお勧めできることではありません。
そこで注目したいのがクレジットカードのキャッシングです。キャッシングを利用すれば利息がかかるため損ではないかと思われますが、帰国後すぐに返済してしまえば、両替手数料よりも安く済みます。
ただしクレジットカードのキャッシングは現地の銀行のATMを利用しなければならないため、この時点でスキミングの被害に遭ってしまっては元も子も有りません。その点十分注意して、現金を用意するようにして下さい。
現金を使う場面は徐々に減ってきており、今後はカードの利用場面が増え、そのうちにカードを実際に利用するというよりも、カードの情報だけがインターネット上を行き来して様々なサービスを利用するようになるでしょう。
しかし残念ながらスキミングという手口が有るからには、そうういったカードによる情報のやり取りだけではなく利用場面では敢えて現金を使うようにするなど、自分の財産をいかに守っていくのかという視点も必要になります。
現金を使わないのが進歩した社会だなどと言う人もいますが、そこには大きな落とし穴が有ることを忘れてはいけません。そんなところで社会の先進性を競っても仕方がないのです。安全が守られてこそ先進社会ではないでしょうか。
ここでキャッシングのスキミングについて纏めておきます。
カードは利便のために開発されてきましたが、それが被害に繋がることも有るため、あまりカードに頼るのではなく、上手に利用することが重要です。
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